2017年5月
公立中学生で成績がとれないというのは・・・
教室は長年にわたり
中高一貫の中学生と、公立中学生を同時に指導しています。
先生方も、それなりのスキルを持っていないと大変です。
両方、対応するのは決して簡単ではない。
大変であるにもかかわらず、
中高一貫の中学生と、公立中学生を同時に指導してくださる先生がいるので
本当に助かります。
私一人だけだと、受験生や中高一貫生の受け入れは制限せざるをえませんから。
人には個性というものがあり、一概にはいえないのですが
彼らを見ていると、ちょっとした「傾向」はあります。
中高一貫の中学生は、学校の指導方針の影響が大きいですが、
進学校の生徒は、わりと自分のものにするということが出来ています。もちろん例外もありますが。
授業で話を聞くときでも、「自分がやっていることをイメージしながら、ついてきている」のです。
ダメな例は、聞くには聞くのですが「ただうつしているだけ」
「自分がやっている姿をイメージ出来ていない」ケース。
公立中学校の内容が出来ないというのは、こういった生徒。
いいかえれば「自分軸がない」
よくある症状としては「人のせいにする」ことです。
「先生が教えてくれなかったから学校でわからなかった」とか・・・。
学校って勉強するところでないの?
因数分解、あれくらいの内容は「自分で学ぶ」姿勢が少しでもあれば出来ると思うのですが、習慣とはおそろしいもので「やらない」。
それを変えるのは、年齢が高くなるにつれ至難。習慣をかえるには同じだけの苦労と時間がかかる。
やがて「もうすることが出来ない」となってゆく。
これが大手のような営利主義の塾のおかげであるから困ったもの。
「過去問や先取りしてくれないと無理!」というのは、どうしたものか・・・。
大手から転塾の生徒は、はっきりいいまして厄介なことが多いです。
塾へいっていない子の方がやりやすい。
小学生くらいまでは、自由に考えることが出来たのに、
年を重ねるにつれ「言われた通り、指示通りに言われた通りの完璧な答えを出す」ことが勉強だと思ってゆく。
そうしないと高校受験では結果が出ない。
公立のコースは、社会に出て大企業や公務員のような大きな組織の一員になるための訓練のように見える。
戦後、日本の学校のモデルは「軍隊」と「刑務所」なので、仕方ないのですけれど
今の子供たちの時代は、「大手で安泰」ややもすると「公務員で安泰」ということもないでしょうから、
特別な才能が見いだせないならば、
多少、レールから外れることも知っておいた方が良いのではないでしょうか。
中高一貫の生徒は、中3で大学見学に1人でいったりします。
公立中学では、ほとんど「高校見学は友達と一緒に!」となる。自分軸が弱い。
大企業だと、はじめのうちは1つの仕事を任されるから、自営に必要なスキルとか学べないですし、年を重ねると転職しにくくなるという、日本の環境を考えてみましょう。
公立コースは「集団の中の1人」を強烈に意識させられます。
必ず誰かの目が気になる。誰かとの比較を中心に考える世界。
中高一貫も良いところばかりではなく、誰かとの比較は成績をつける時点でありますけど、まだ個性を大事にしてくれるように思います。
勉強学校だと、そんな暇もなかなかないですけど。
でも
公立中学だと異端児は、どちらかといえば成績が良くないですが、中高一貫はテスト結果がでていればそこまでひどいことはない。
私の考えでは「優秀な生徒を難関校にいれたい!」という考えはもっていない。
その勉強をきわめても、
知らず知らずのうちに「知能はあっても、集団の中の1人でしかいられない」のは、もったいない。
究極
その子のBESTで良いのではないでしょうか?
難関大の中途半端な学部卒より、1つのことを極めた生徒の方が強いですよ。
最低限のマナーと、相手を察する気持ちは持っていないといけないですけれど。
公立中学生で成績がとれないというのは「自分で勉強せず、他力本願」だからです。
これだと大学受験はきわめてきびしい。
授業をしてみると「よくわかります」。
神奈川公立高校だと、多摩、横須賀、平塚江南あたりまでが、大学一般受験に太刀打ちできるラインかもしれません。
成績オール4だと、本番で得点しないと危ない公立高校です。
大学受験生も、高校受験組は考えが甘い。
公立中高一貫コースは、全滅も珍しくない。
大手の公立中高一貫コースは、1校舎の生徒が全滅も珍しくない。
あの授業内容で合格がとれると思っているのだろうか?
合格人数を考えると、合格できるのは、「学校でTOPレベルであり、適性検査を時間内にさばける、好成績を確保している1人だけ」です。
落ちたら「高校受験でリベンジしよう!」の常套文句で囲い込み。
「最初から出来る生徒を集めて結果を出す」というのが、大手のやり方。
普通の生徒が集まってしまうと全滅するというのは、わかる気がします。
公立中高一貫の適性ともなれば、集団で1人1人育てるのは至難。
不幸にも小5、小6の時期に大手へいってしまった、無料体験の小学生。
センスはあるのに割合と速さの意味が全くわかっていないことに驚く。
過去問がないと不安で、何も出来なくなる公立中学生。
入試制度が内申で決まっていた、少し前までならともかく
今の時代、あそこに子供を預けたいと思う心理がよくわからない。
やっつけ仕事のような学びで結果を出しても、大学受験は難しいし、大学の学びでも結果を出せないでしょう。
中小個人塾のなかにもあやしいところはたくさんある。
教室だって、100%成功というわけではない。大学一般受験が一番大変。
「みんなが大手にいっているから」や「ここに通っていれば大丈夫」のような考えはどこからくるのだろう?
はっきりいってしまえば
「誰かがなんとかしてくれるだろう」「ここにいれば大丈夫だろう」という思いがあるからだ。
「自分で何とかするのだ!」という自分軸がない。
そのような状態で、自分を信じていなければ挑戦すらも出来ないような難関入試はまず不可能。
直前になって、どんどん志望校を下げることになる。
今の子は、そういった傾向がはっきりあるそうです。
塾やご家庭で「手伝ってあげすぎ」「干渉しすぎ」だと、そうなります。
「何もしない」ではなく「見守ってあげている」
その安心感が、力をつけていく源泉になります。